四国総奥之院 仙龍寺

仙龍寺は、愛媛県四国中央市新宮町に位置する真言宗大覚寺派の寺院。号は金光山、遍照院(へんじょういん)で、本尊は弘法大師を祀っています。

このお寺は、四国八十八ヶ所第六十五番三角寺とかつては一体であり大師堂だったそうですが、現在は分離独立して三角寺の奥之院となっています。

地元の人から「奥之院さん」として親しまれるこのお寺は、「四国総奥之院」と云われ、四国別格二十霊場十三番札所、四国三十六不動尊霊場二十六番札所でもあるのです。

このお寺の縁起は、嵯峨天皇の御代に当たる平安時代の初期、弘仁6年(815年)の事だとか。。

御歳42歳を迎えられました弘法大師様が、不思議なお力に導かれるかの如くこの地に導かれ、その際、山の神々をお祀りされていた法道仙人様よりこの地を譲り受けられたそうです。四国八十八ヶ寺の中には、このように元々仙人様がいらっしゃったお寺が多くありますよね。

そして、お大師様は山の金剛窟に御篭りになられ21日間、護摩修業された後、自らの姿を彫刻してこの山に安置され、大伽藍・庫裏・鐘楼などを建立したと伝えられています。この大師像が本尊で、大師が「開運厄除」「虫除五穀豊穣」を請願して修行したことから、これを「厄除大師」「虫除大師」とよんで多くの信者さまから慕われるようになったそうです。

仙龍寺前の銅山川
仙龍寺入り口
仙龍寺入り口・総奥之院の石碑が神々しい!
駐車場から見上げるような建物

仙龍寺は標高400m弱の所にある山岳寺院であり、深山幽谷に佇んだ静かな場所にあります。歩き遍路の方は、三角寺から一山越える必要があり難所中の難所であると思われます。古書からもその難所ぶりは記されており、僧賢明の「空性法親王四国霊場御巡業記」(1638)にも「善悪無記の三角寺、奥の院こそ世にも又、最も殊勝に覚えける」とのこと。私は車で訪れましたが、離合も難しいようなくねくね道を不安になりながら運転いたしました。(冬場でしたので、晴れた暖かい日で良かった・・)

どれだけ秘境かという事を、越智先生の科学者らしい言葉で表現すると次のような感じになります。

この仙龍寺は四国八十八ヶ所霊場第65番札所 三角寺の奥の院で、四国別格二十霊場の第13番札所、さらには「四国総奥の院」と呼ばれる名刹です。三角寺と奥の院である仙龍寺の間には標高1,000メートル級の山々が屏風のように立ち並ぶ法皇山脈が東西方向に延びて立ちはだかっており、その法皇山脈の北側斜面に沿って中央構造線が東西方向に延びています。境内は四国随一の大河吉野川の源流の1つである銅山川を見下ろすV字谷の崖の途中にあり、三波川変成帯らしい緑泥片岩の濃い緑色と森の緑に囲まれていることから、まさに「四国総奥の院」と呼ぶに相応しい神秘さを感じさせる大きな寺院です。次の本の執筆に向け一度訪れようと思っていた寺院の1つだっただけに、嬉しかったです。

龍の住む霊山という言葉のとおり、境内には清流が流れていて滝となっている所もありますが、この流れは銅山川に流れ込んでいます。写真のとおり本当に美しい所です。この「銅山川」というキーワードに、私たちは反応してしまいます。

そして、私たちが驚愕してしまったことは、この立派なお寺のつくりです。清水寺のような、また大洲にある少彦名神社の参籠殿のような素晴らしいつくり。
なんと、ここには宿坊のような役割もあり、100名の方が宿泊できていたとか。。

現代でも車でここに来るのは本当に大変でしたが、なぜこの地に(本当に周りは何もない大自然なのです) わざわざ100名の方が泊まれる施設が必要だったのか・・
修行のため・・だとしても、この地に大規模すぎる・立派な造りすぎる施設が必要だった訳は何だろう?

この近くには「金砂湖」があり、そのまた向こうには日本三大銅山のひとつである別子銅山がある。ということは・・なんてメンバーは考察が膨らみまくるのでありました。

講師の越智先生と立ち上げの立役者の1人森高先生
入り口から圧倒されるような素晴らしさ

そうそう、この日は、「四国まんなか研究会」の発足の日でした。その会議の前にこの仙龍寺のお堂の中で、越智先生の講演があったのです。
襖をスクリーンがわりにしているのが粋。
地元の子供たちが熱心に講義を聞いている姿に、日本の明日は大丈夫! と安堵する私。。

御堂は深い谷の上にまたがって立つ舞台造。寺の周囲は険しい崖が、どことなく岩屋寺さんを思い起こさせます。そういえば、岩屋寺さんも神通力を持つ法華仙人さんが住まわれていたはず・・

このうっそうとした原生林に囲まれた崖で大師自ら身を清めたと伝わる清滝(落差30m)があり、玄哲坂、仙人堂、不動堂、蟹淵なども残っています。

その蟹淵そばには樹齢300年以上の巨大な大杉が! なんでも四国中央市指定の天然記念物に登録されているそうです。

本当にドキドキするような狭い道を、わざわざ訪れる魅力にあふれる仙龍寺でした。